

『聖夜天』~四龍島Christmas 3~
降誕祭だ。 本土居留区あたりでは賛美歌もとうに尽きたころ。 「あんたは、俺がそれを、ありがたがると思うのか。マクシミリアン」 「喜ばないと言うのなら、強いてでも喜ばせるまでだ。花路」 押しつけられたのは濃紺に銀砂子の飾り帯。...
『聖夜花』~四龍島Christmas 2~
凍てつく星々がいまにも天から降り注いできそうな夜だ。 賑わう色街から山の手へと上がれば、酒気に温められていた体が、いつの間にやら、す、と冷える。 「寒いぞ、着ていけ」と仲間がよこしてくれた上着を、やはり羽織ってくるのだったと飛は苦笑した。 「邪魔をする。『白龍』」...
『聖夜思』~四龍島Christmas 1~
四龍島西里白龍市、山の手。 「やっぱりなんだか違うなぁ」 屋敷居候のクレイ・ハーパーが、目のまえの贅沢な食事を眺めて溜息をついていた。 「七面鳥は本土の居留区でも手に入らなくて家鴨が出てきてたけど、なんていうかこう……クリスマスっていう雰囲気からは遠いなぁ」...